近くに
そこにある、あそこにもある、ここにもある。
そしていつでも、どんなときもある。
けれど、気づけない。これではない。なんでだ。
遠くにあるものではないことは分かる。
理解できるものでもないと、何となく分かる。
近すぎるほど近くにある。というか最初は既にそれなのだ。
もう散々やった。
そろそろ近くにあるそれに気づいてもいいんじゃないか。
気づくという行為すら、
傷つけて無くなってしまうほど繊細に見えるものだけれど。
無くなってしまったように見えても、それでもやはり、
そこにもあそこにもここにもある当たり前の事実に。
2016/8/17 植村 健司